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生の僕

汗臭い頭を降って
髪は荒々しく広がって

頭皮が、頭蓋骨が、脳が、その中が
痒い 痒い もどかしい

濡れた頭を壁にぶつけて
色彩が赤く、赤く、赤く

頭皮が、頭蓋骨が、脳が、その中が
熱い 熱い もどかしい

頭皮の中の頭蓋骨の中の脳の中の


僕が痒くて熱くてしょうがないんだ

皮を破り骨を割って内蔵を溶かして
思考を掻きむしりたい

きっときっと取り出して眼前に突きつければみんなみんなわかるんだろう
絶対絶対赤が滴る僕なら本当に本当に饒舌なはずなのに

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鎖とリボン


吹き出て君を染める赤が
ほとばしって君を貫く赤が
僕のまぶたの裏を蹂躙する

おそらく君は鎖が邪魔で
抜け出すことを考えたんだろう

きっと君は鎖が怖くて
逃げ出すことを考えたんだ

真紅のリボンを手首に巻いて
ただ連れて行かれる君は
はたして、はたして

真紅のリボンを見て初めて
その虚ろな目に光りを宿す君は
はたして、はたして

今日も君は手首を引かれ
誰もいない街を歩く


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大切な友達に向けて。

使い捨てのカイロはまだ暖かい
じんわりとポケットの中で広がった

使い捨てのカイロはもう冷たい
ひんやりと指先を傷つけた

指先から血の巡り
血液から全身
身体中から私のまわりへ

冷気はいつの間にかすべてを蝕んで
私の世界は凍りついていた

なにも動かない なにも聞こえない 一面の白

その中に私は立ち尽くす
指先で固まったかさぶたは小さい

だだっ広い中心に私はいる
他には何もなく、ただ、独り

運命って


薄く曇った空気を吸い込む
塵が浮いて濁っている
生温かい風が球体関節を撫でた

道はたくさんの人形たちで渋滞している
僕は目を伏せて自分の番を待つばかり
遥か遠く前方から、あ、と声が聞こえる
静かで短い断末魔

僕は目の前に迫る最期を人形らしく、じっとただ受け入れる
ガラスの目玉は青く光って宙を見つめる

運命ってそういうものなのだろうか
僕は人形のようにあがく事なく焼失するのだろうか

僕の口から
あ、と静かで短い断末魔

姿見

姿見の前に立ってじっ、と

毎日見る顔はぼやけて歪み
はっきりと認識できない

この手で撫で回して、形を知っても
私の目にはっきり映らない

段々と黒に包まれていく
確かに手では触れられるのに
視界から消えていく私の姿

爪先から、膝から
つむじから、首から
私の支配下から逃げて闇に身を投じるそれら

わからなくなる 私はどこ、私は何者

何時の間にか姿見の私はいなくなって、焦燥のみが漂う

わからない 私は 私が 私を 私に 私の
わからない わかる? わからない

自我 意識 感情 思考 ぷつん


人間臭い

赤黒く垢の浮く肌に、手を当てて

もっと汚れたい

人間とは、と考えたときに
当然として生まれてくる願い

もっと汚くなりたい

貪欲に、一途に
生を追求する本能という垢

もっと汚れなきゃ

ひたすらに欲求を満たす連続
ひたすらに毎日を生きる連続

人間でありたくない
人間になりたくない


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そんなあなたが、一番人間らしい

負け犬

世界は嘘ばっかりだ

僕は転んでのたうち回って最期に捨て台詞を吐くんだ、きっと
負け犬にだって吠える権利はある

妄想の雪の合間をぬって見栄の風に上着をはためかせて、僕は走るんだ、ずっと
負け犬にだって逆らう権利はある

仮に僕が負け犬だろうと、それが何だ
僕にできないことは、黙って見ていること


僕の足元も、まわりのものも、僕が今見ている世界すべて、さらに僕自身さえ嘘なら
本当とは何だ

虚偽の葉の合間に真実の幹を見つけられるのか
覆い隠す闇を壊して光る真理を手に入れられるのか

理不尽な刃は容赦なく僕らを殺すけれど、
その太刀筋が向かってくる前に辿り着けばいいのだ

牙を向いた


バレンタインとリリー


ー元々、男の子が女の子にお花を贈るものなんだって。

ある夕暮れの図書室で、君はそう一言こぼした
その横顔はどこか白百合のようで、

ー君に花を贈ったって、

霞むだけじゃないか、という言葉が舌の上で転がる

ー君に花を贈ったって、君はチョコレートの方が良い、食べられるから、だなんて色気の欠片もないことを言うんだろう。

白百合は口元を微かに歪めて笑う

ーだって、しようがないじゃないの。好きなんだから。

好き、と動く口は紅い

ーでもね、
ーお花だって実は、食べられるものもあるのよ?

僕ははっとして君を見つめた

手元の植物図鑑は百合のページを開いている
僕はそのページに目を落とした
百合の鱗茎は食用になる、という一文

君の肩くらいの長さの黒髪が、冷たい風にそよぐ

ーでもあなたも、チョコレート一つくらい欲しいでしょう。面目もあるだろうし。

伏せたまつげが微かに震えて、頬には赤みがさしている

ー私、実はわりとお菓子作れるの。

しようがないから、ね、作ってあげるわ、と独り言のように呟く口は紅い

ー僕は、花が欲しい
ー百合が欲しいんだ

驚いたように僕を見上げている

我に返った僕は慌てて付け加えた

ーチョコレートも、ありがたくもらうよ。ただ、その、僕は百合が好きだから、夏、一緒に見に行こう、なんて。

ちんぷんかんぷんな僕の言葉に、君は鼻にシワを寄せて笑う


冬の空気は、夏にはまだ遥か遠い



私は車道を歩いていた
誰もいない車道を独り、無心で
積もり踏み固められた雪の上を歩いていた
何の音も聞こえない雪の上を独り、無心で

ただ在るのは冬の匂い
鼻の奥を熱く焦がす冬が香るのだ
ツン、と脳髄まで焼く空気の匂い

私はただ、無心で歩いていた

相反する、すなわち


口の中、くちゃくちゃ粘る

渇きが体を満たして 僕は初めて欲を知る
渇きが体を満たして 僕は初めて理性を知る
渇きが体を満たして 僕は初めて僕を知る

鼻の奥、ずるずる詰まる

蓋が心をこじ開けて 僕は初めて自由を知る
蓋が心をこじ開けて 僕は初めて道徳を知る
蓋が心をこじ開けて 僕は初めて世界を知る

目の裏側、てらてら潤む

流れが存在を留めて 僕は初めて人を知る
流れが存在を留めて 僕は初めて君を知る
流れが存在を留めて 僕は初めて愛を知る
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